アガパンサス

【品種名】

アガパンサス 品種不明

【魅力】

テカテカとした葉の緑が美しいとか、爽やかな花が咲くとか、夏の花然とした評価はあるでしょう。 

でもどうしても「戦闘機から多数同時に放たれるミサイル」を思い起こすんですよね、私。あの放射状に広がるつぼみに! この花の季節になると、いつも子供心が騒ぎだします。

本ページは、そんな動機から歩道の脇に咲いていたアガパンサスの種を拾い、実生してみた記録です。育ててみようと思った方々の参考になれば幸いです。

【目次】

  1. お世話(水やりなど)
  2. 特徴(花・葉・根など)
  3. 繁殖(種・実生など)
  4. おまけ

お世話(水やりなど)

【我が家での栽培環境】

最上階の南向きバルコニーで風通し良好。直射日光スペース。道路脇の植え込みや建物の屋外通路などによく植えられている植物なので、なるべく日照時間が長くなるようにします。季節によって日光の入射角が変わったり、遮光ネットを設置したりするため、年に数回置き場を変えます。

ただし真夏は日光が強烈すぎて次の写真のように葉焼けを起こしてしまいます。すりガラス越しの明るい場所へ避難しているものの、株が大きくどうしてもはみ出している部分が傷みます。

日焼けを起こした葉 24年8月上旬
日焼けを起こした葉 24年8月上旬

【水やり】

夏は2~3日に1回、それ以外の季節は多少間隔を伸ばします。乾燥には強いらしく、多少雑になっても耐えてくれています。

水大好きグループの植物は暑い日だと朝に水やりしても夕方はグッタリしていることがありますが、アガパンサスは全く問題なしです。

【用土・肥料】

この植物のために土は買っていません!…というのも、どこかで「痩せた土壌でも育つ」 「頑丈」という紹介を目にした影響で、贅沢させないで育ててみようと思った次第です。

実際使っているのはこんな土。

使い古しの土
使い古しの土

園芸店の培養土を他の植物で1年使い、2mm程度のふるいにかけたものです。だいたい小粒の赤玉土、鹿沼土、軽石、固形肥料などが残り、化粧土のゼオライトや底石代わりのハイドロコーンなども幾らか混入、見た目通りゴロゴロした土粒だけになっており、水はけは抜群です。

アルブカ系」や「ユニフォリアツム」などの球根が秋植え~夏掘り起こしのサイクルになるため、こんな使用済み用土がまとまった量で年一回発生するのです。さすがにもったいないので、ちょいちょい丈夫そうな植物にあてがっています。そう、アガパンサス君もです。

肥料については用土・肥料ページの観葉植物グループに記載のものと同じです。

【病気と害虫】

病気、害虫共にそれらしき被害を受けた事がありません。周りの植物にはハダニがいることもあるのですけど、この植物にたかっている様子を目にしておりません。

【主なメンテナンス】

枯れた下葉取りを見つけたら実施。花後に切った花茎は、いつまで待っても引っこ抜くことができないのでそのままです。

根元から脇芽が頻繁に出てくるので、適宜切ります。1株だけにとどめて起きないなと思い、育て始めてしばらくは丁寧に摘んでいたのですが、生える速度に追いつかず、また切り詰めにくい場所に生えることもあり、結局徹底できずにモサモサ株になりました。

特徴(花・葉・根など)

【開花期】

6月

【花】

長く伸びた花茎の先が放射状にも分かれ、数十個の花をつけます。爽やかな色合いをした楕円形の花びらが6枚。

中央の雄しべ雌しべも比較的長く伸びますが目立たない色なので、絵としてのキャラクターが花びらだけになって清涼感が増すようにも思います。アガパンサスは風。といいますか景色に溶け込むように場を飾る花ではないでしょうか。

アガパンサスの花 24年6月中旬
アガパンサスの花 24年6月中旬

4月下旬、株の中心から花芽が出てきます。先端は葉と似ていますが、平たくても多少の膨らみがあれば花芽です。

アガパンサスの花芽 23年4月下旬
アガパンサスの花芽 23年4月下旬

2週間ほどで花茎が株の背丈以上に伸びます。太くて頑丈、健やかさを感じます。

ただし花になる部分はそれほどでもないので、何かにぶつけることのないように注意しましょう。近くの花台の遮光に使っていた寒冷紗が風にあおられ、花を何度も叩いたせいで先端がもげてしまったことがあります。

たくましく伸びた花茎 23年5月上旬
たくましく伸びた花茎 23年5月上旬

5月下旬、花茎の先端も膨らみを増してきます。たくさんのつぼみを守るように包みこんでいた苞(ほう)が開き、少しずつ中のつぼみたちが横に展開、私たちの目にするアガパンサスの花序を形作っていきます。

つぼみがお目見え 23年5月下旬
つぼみがお目見え 23年5月下旬
苞が全て外れた様子 23年6月上旬
苞が全て外れた様子 23年6月上旬

最初はそれぞれのつぼみが上向きで、膨らんで色づくにつれ横~下方向へと向きを変えて開花します。花序は全体的に半球状で、下の方から咲き進みます。

上側のつぼみが開花する頃には下の花は既に萎んでいるため、満開と言えるタイミングはつかみにくいですが、花を楽しめる期間という点では1ヶ月近くあると思います。

アガパンサスの開花 23年6月上旬
アガパンサスの開花 23年6月上旬
咲き進み 23年6月中旬
咲き進み 23年6月中旬
上のつぼみまで開花 23年6月下旬
上のつぼみまで開花 23年6月下旬

萎んだ花は大抵そのまま落ちてしまいますが、中には受粉していて種を収める鞘が成長していることも。これも花後に訪れる植物の生活サイクルのひとつ。きれいな緑色の実がなっている姿もぜひ楽しんでください。

アガパンサスの実り 23年7月上旬
アガパンサスの実り 23年7月上旬

【葉】

いくらかテカリのある細長く平たい形。一般的な葉に比べたら厚みがあり、切るとトロッとした水がしみだしてきます。多肉植物というほどの葉ではないですが、乾燥に強いのもこういう葉の作りがあってこそなのでしょう。

アガパンサスの葉 25年5月上旬
アガパンサスの葉 25年5月上旬

葉は株元から左右双方向に伸びます。葉先まで見ると多少の前後方向への傾きはありますが、1株だけだと基本的に左右方向にしか広がりません。株元も着物の前合わせのようになっています。

株元の様子 24年6月中旬
株元の様子 24年6月中旬

ただ次の写真のようにあちこちから子株が生えてくるため、これらが育ってくると(葉の数も相まって)全体的にどの角度から見てもモサモサになっていくと思われます。

※葉先が平たくなっていますが、これは子株を摘もうとして葉を切り詰めた名残です。本来はちゃんと楕円形の葉先をしています。

たくさん生える子株 23年10月下旬
たくさん生える子株 23年10月下旬

【根の広がり・鉢の形状】

一本一本がかなり太いひげ根タイプ。地上に見えている部分は濃い緑色をしており、空中に手を伸ばすような伸び方はしないものの、どことなく胡蝶蘭の根に似ています。地中の根はきれいな白色で細めの根に枝分かれします。

私がウォータースペースをあまり作らない植え方をする癖があることも要因ですが、植え替え翌年には土が鉢からあふれてしまうほどの旺盛な根張り。乾燥に強いのもわかる気がします。

アガパンサスの根 23年10月上旬
アガパンサスの根 23年10月上旬
根鉢を崩したところ 23年10月上旬
根鉢を崩したところ 23年10月上旬

根の成長スペースを確保するには深い鉢がおすすめです。それでも成長が早く、植え替え時に半分程度に根を切り詰めたとしても1年ほどで根が鉢底に到達します。

植え替えの頻度は小さな苗のときは半年に一度でしたが、5~6号鉢になった現在では1年~1年半ごと。将来的に8号鉢を使うくらいになったら2年に一度くらいになるのかなと思っています。

6号ロング鉢への植え付け 25年5月上旬
6号ロング鉢への植え付け 25年5月上旬

繁殖(種・実生など)

【実生・種蒔き~発芽】

さて、冒頭の紹介通り、我が家のアガパンサスは歩道の脇の植え込みが親株です。品種はわかりませんが、通勤している道なので花の咲き具合、種の実り具合は日々目にしていました。

鞘が開き地面に落ちたのを見計らって種を拾うのに苦労はなく、ほとんど保存期間無しの採り蒔きとみなしてよいでしょう。拾った種は5粒。厚みの無い、黒く薄い紙切れのような種でした。

観察期間:2020年秋
蒔き時期:採取してすぐ
置き場所:屋外のやや日陰

用土:種蒔き用の土(底の方に肥料マグァンプと殺虫剤「オルトランDX粒剤」を少々)、底石なし、覆土は小粒赤玉土で種が隠れるくらい、2号スリット鉢

水やり:特段の工夫なく表土が乾き次第の水やりを継続

秋の何月頃に蒔いたか正確には覚えていませんが、12月上旬になって何とか1本だけ発芽してくれました! 最初からアガパンサスらしい平たい葉がスーッと伸びます。

アガパンサスの発芽 20年12月下旬
アガパンサスの発芽 20年12月下旬

【実生・発芽から1年後】

それから1年近く。数・太さ共に増した葉に、将来デカくなりそうな期待も膨らみます。管理方法はこのサイトで紹介している屋外花台置きの観葉植物と同じです。

鉢が狭くなりそうなので2.5号鉢へ植え替え。この頃はハオルチアのベラボン栽培に好感触を得たこともあって、アガパンサスにも使えるのかなと思ってベラボン植えに挑戦しました。

発芽から約1年近いアガパンサス 21年10月下旬
発芽から約1年近いアガパンサス 21年10月下旬

ベラボンが気に入ったのか? ちょうど成長が加速する時期だったのか? 理由は定かではないのですが、これまでとは全く違う幅の葉が何枚も出てきました。

あの、植え替え後まだ半年ですよ。冬だったんですよ。これからが成長期本番っていう春の時点でもう鉢が小さい感じがするって、どういうことですか。

葉の勢いが強くなった 22年4月中旬
葉の勢いが強くなった 22年4月中旬

やむなく再度植え替え、3号鉢へ。ベラボンがもったいないなと思いつつ鉢から抜くと、白くて太い根が何本もお目見えしました。こういう元気のよい根は大好きです!

ここから「用土・肥料」の項で紹介した再利用土を使うことにしました。多肉植物でもないのにベラボンでは真夏のベランダを生き抜くことはできないだろう、と思ったからです。

ベラボン栽培して半年後 22年4月中旬
ベラボン栽培して半年後 22年4月中旬
ベラボンを取り除いたところ 22年4月中旬
ベラボンを取り除いたところ 22年4月中旬

【実生・発芽から2年後~】

はい、デカくなるのが早いです。葉は左右方向にしか広がりませんが、「パイナップル」の威勢のよさを思い出す育ちっぷり。

根元の脇芽はことごとく切り詰めて一株のままでいるようにとどめているのですが、さすがにポンポン出てくるので面倒になってしまいました。

実生2年目のアガパンサス 22年11月中旬
実生2年目のアガパンサス 22年11月中旬
着物の合わせ目のような葉の重なり 22年11月中旬
着物の合わせ目のような葉の重なり 22年11月中旬

そして種まきから2年後、初の開花を迎えました。普段の花の様子は「花」の項目をご覧ください。本項では、ちょっと変わった一輪を紹介したいんです。

こちら、2つがきれいな円形配置に融合した花です! 花びら2倍! 雄しべ雌しべも2倍! 初めての開花で、こんな花が見られるとは思ってもいませんでした。(翌年以降は発生しておりません)

2つの花がきれいに融合した 23年6月上旬
2つの花がきれいに融合した 23年6月上旬

奇形のひとつではありますが、半端に融合したわけではなく、一輪に見える形状での100%増量です。初めての花なのによいものを見ることができました。

そして不思議だなと思える点がもうひとつ。実はこの種を採取した株は、白花ではなくて、よく見かける青みがかった花色だったのです。

採取元の株はブルー基調
採取元の株はブルー基調

どこかに白花があったかというと、そうではありません。この歩道に沿って植えられているアガパンサスの花色は全てこの薄い青なのです。

遺伝でしょうか。それとも私が乱暴な育て方をしているからなのでしょうか。まあ、このサイトの名前もシロバナですからね、これでいいかなと思ってます。翌年以降も咲いていますが全くブレません。空に映える夏の白です。

変わらない花色 25年6月下旬
変わらない花色 25年6月下旬

おまけ

【ミサイル一斉発射】

冒頭にも書いたネタ、つまりこういうことです。少し花開いた状態のアガパンサスの上に、戦闘機の模型を添えて撮影、写真を横向きにしました。

この模型のアニメはミサイルをばら撒いてなんぼの世界なので、ご存じの方であれば私のやりたいことは察していただけるでしょう。

アガパンサスで遊ぶ 23年6月上旬
アガパンサスで遊ぶ 23年6月上旬

せっかくなので画像加工です。主役それぞれを切り抜いて、別途撮ってきた青空の写真に貼り付け。ゲームのカットイン演出をイメージしてみました!(写真を活かした編集は、今の私にはこれが精一杯!)

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