ヘキルリランポー(育ち方)

ヘキルリランポー

【品種名】

アストロフィツム ヘキルリランポー

【魅力】

何とも愛らしい丸みを帯びた星形。ただの球形というわけではなく、こんな形になってしまった、植物の不思議ですね。んっ? これは地上にある…星と言っていいのだろうか?

陵が5つだと星形になりますが、4つや3つの品種もあります。もちろんそれぞれ四角形、三角形です。肌に縞模様があったり、白点があったりと様々。我が家のはそういう飾りっ気がないグリーン素肌の碧瑠璃(へきるり)ランポーです。

【目次】

  1. お世話(水やりなど)
  2. 特徴(花・葉・根など)
  3. 繁殖(種・実生など)

お世話(水やりなど)

【我が家での栽培環境】

春~秋:最上階の屋根無し南向きベランダ。直射日光ゾーン(夏のみ白い寒冷紗)、「自作の雨よけ花台」の中、風通し良好。(日差しは午前中~午後一くらいまでで、それ以降は日陰となり西日は当たりません)

※後述の管理方法含めだいたい「オベサ系」と同じですが、強い日照への耐性は比較的あるらしく、オベサが日焼けしてもランポーは被害なしでした。なので花台内でも日当たりが良い位置に置いています。

冬:最低気温5℃前後を境に室内へ。窓際のレースカーテン越しの光があたる場所です。

【水やり】

基本は週1回として、鉢を持ち上げて重さがまだ残っていればその週はパスします。葉のへこみ具合など目印になるものがないので、重さや、表面・鉢底から見える土の乾き具合で判断します。量は鉢底から流れ出るくらい。

冬は間隔を長くします。断水すると調子を崩してしまうことがあるらしいので、2週間に1回程度、土をいくらか湿らせてあげる程度に行います。

【用土・肥料】

用土・肥料ページの多肉植物グループに詳しく記載してありますので、ご参考ください。

【病気と害虫】

これといった害虫の被害にはあっていません。表面をハダニが走っていることもありますが、吸汁された形跡は見当たりません。念のため「オルトランDX粒剤」をたまに撒いています。

【主なメンテナンス】

手入れという手入れはありません。形の歪みが発生しているかわからないのですが、定期的に鉢回しはしています。

特徴(花・葉・根など)

【開花期】

5月~8月。

【花】

花びらはすっきりとした淡いクリームイエロー。光の当たり具合で写真のようにメタリックな反射が見られます。ガッシリした本体からはあまり想像できない爽やかフラワーです。

真ん中の雌しべの周りに、ツバキのように数多くの雄しべが並びます。花びらは黄色ですが、横か下から見ると裏側の先端は黒いことがわかります。

ヘキルリランポーの花 20年8月
ヘキルリランポーの花 20年8月
真上から 20年5月
真上から 20年5月
真横から 20年5月
真横から 20年5月

つぼみは4月頃に中心部に現れます。開花後でも次のつぼみが出てくることがあります。見た目は黒い筆先のようで、先端が現れてから咲くまで約1ヶ月半ほどかかりました。

中心部に現れたつぼみの頭 20年4月
中心部に現れたつぼみの頭 20年4月
筆のようなつぼみ 20年5月
筆のようなつぼみ 20年5月
開花直前のつぼみ 20年6月
開花直前のつぼみ 20年6月

花は日中に開きますが、とても短命で1日しか持たないようです。夜には閉じてしまいますし、カメラのシャッターチャンスは限られています。

次の写真は開花翌日の朝のもの。開花前と似た様子に見えても、先端が赤っぽく劣化していて既に咲き終わりの状態で、再び開くことはありませんでした。

開花翌日の早朝 閉じた状態 20年5月
開花翌日の早朝 閉じた状態 20年5月

サイズこそ大きめですが背が高い植物ではないですし、花持ちの面からも、並んでいる鉢の中で咲いた花は見逃さないようにしましょう!

夜空の流れ星は一瞬。ランポーの花も一日。どっちもキラキラ、目にする機会は限られたもの。昼にきらめく花台のお星さまにも、ぜひ願い事を。肉厚なボディに力だけはもらえる、はず!

見逃さないように! 20年8月
見逃さないように! 20年8月

5つの陵それぞれに花がつきますが、微妙に位置がずれているため、およそ1つずつの開花です。ただちょうど重なるタイミングもあるようで、次の写真のように2つ同時に開花することも。若干一輪当たりのサイズが小さいか?とも思えますが、元気があふれている証拠でしょう。

2つ同時の開花 24年8月上旬
2つ同時の開花 24年8月上旬

【葉】

表面は濃いグリーンでツルツル。ただしよく見ると白い細かい毛がいくらかあります。一定間隔で稜線上にある凹みは、つぼみがつく(というか、ついていたであろう)場所です。

成長の過程で目覚ましい変化はないので、1年前の写真を見返して大きくなったんだなと実感することになると思います。

購入時に植わっていた鉢は7.5cm角で、約1年半後には陵の端が鉢の縁にかかるまでに成長。直径にしておよそ2cmほど大きくなりましたが、写真を見直すまで気づきませんでした。

購入時(右) 18年1月
購入時(右) 18年1月
約1年半後 19年7月
約1年半後 19年7月
そして購入から2年、鉢の縁からはみ出すほどに 20年4月
そして購入から2年、鉢の縁からはみ出すほどに 20年4月

なお成長にともなって、下の方はヒダができてくるようです。

ヒダが形成されつつある 20年5月 
ヒダが形成されつつある 20年5月

ランポーは専門店か、ちょっと珍しいものを扱っている量販店に行くと見つけることができるでしょう。ただそれなりに育った個体(もちろんお値段もする)が多く、小さめ個体は少ないです。

特徴的な星形ではありますが、奇妙な形状の多いサボテン・多肉植物の中では控えめにも見えます。大きくなり特徴がよく現れてこないと売りものにならないのかもしれませんね。

冬季室内退避中の多肉たち(ランポーは左下) 19年12月
冬季室内退避中の多肉たち(ランポーは左下) 19年12月

【根の広がり・鉢の形状】

ひげ根タイプ。ユーフォルビアの「オベサ系」よりは量が多く、しっかり張っている感じ。手持ちの植物の中ではサボテンの「なるほど柱」に近い印象がありました。

浅く広がるわけではないので、通常型~ロングの鉢がいいでしょうね。形からも趣のある一鉢ですから、定番の「ミニラン鉢」に20年秋に植え替えました。

ヘキルリランポーの根 20年9月
ヘキルリランポーの根 20年9月
ミニラン鉢へ植え替え 20年9月
ミニラン鉢へ植え替え 20年9月

「受粉」の項目で紹介する仲間、複隆ヘキルリランポー、大疣兜丸の根もほぼ同じようなものです。

複隆ヘキルリランポーの根 24年4月中旬
複隆ヘキルリランポーの根 24年4月中旬
大疣兜丸の根 24年4月中旬
大疣兜丸の根 24年4月中旬

繁殖(種・実生など)

【受粉】

自家受粉しないようで、別の株を用意します。ただ全く同じヘキルリランポーが相手だと面白みがありませんので、ちょっと見た目が違うタイプを買ってきました。

まずは星形ではなく6陵で、ヒダのような隆起がたくさんある複隆ヘキルリランポー。いびつです。いい味だしてます。でも残念、2021年秋に購入して以降、成長はしていますが一向に花を咲かせてくれません。

複隆ヘキルリランポー 24年4月下旬
複隆ヘキルリランポー 24年4月下旬

次は星形ではなく丸型8陵の兜丸。ネームプレートに大疣(おおいぼ)と書いてある通り、八方に広がる白いモフモフが愛らしい。

2024年4月に購入した時の写真ですが、この時すでにつぼみがありまして、5月には開花しました。花はやや黄色味が強いですが、ヘキルリランポーとほぼ同じ。この子と受粉に挑戦です。

大疣兜丸 24年4月中旬
大疣兜丸 24年4月中旬
大疣兜丸の花 24年5月下旬
大疣兜丸の花 24年5月下旬

雄しべ雌しべは説明の必要がないくらいわかりやすいです。植物体が大きく、花同士をくっつけるような方法は採れませんが、綿棒を使うなり、ピンセットで雄しべを千切るなりして、雌しべに花粉をつければ完了です。

悩ましいのは受粉方法ではなく、「花」の項目でも紹介した開花時間の短さです。一日しか咲きませんし、新しいつぼみが出てくる間隔が同じ個体同士だと、なかなか開花日が合いません。なおかつ、育て主が受粉作業できる休日という条件も必要です。在宅勤務制度などをうまく使いましょう!

ヘキルリランポーの雄しべ雌しべ 24年8月上旬
ヘキルリランポーの雄しべ雌しべ 24年8月上旬

【種】

受粉が成功した花の基部は次第に膨らんできます。受粉しない花は、しぼんだ後しばらくするとポロリと外れてしまうのですが、受粉成功していれば多少つついても落ちません。

受粉後3週間程度で種は採取できるようです。ある日、鞘の上半分が脱落し、あふれんばかりに詰まった種が見えていました。慌ててピンセットで全て取り出します。

鞘の上半分が取れた様子 24年6月上旬
鞘の上半分が取れた様子 24年6月上旬
種を全部収穫し終えた鞘 24年6月上旬
種を全部収穫し終えた鞘 24年6月上旬

種は黒くツヤがあります。種につながっている管は乾燥させているうちに萎れてきますので、指で種を揉むなどすれば自然と外れます。

種だけに整理できた後は、いったん容器に乾燥剤を入れてフタをし、冷蔵庫で保管することにしました。6月なので初夏といえば初夏なのですが、ネットで調べてみると真夏の高温期に種蒔きしている感じはしなかったため、9月まで待機です。

収穫したヘキルリランポーの種 24年6月上旬
収穫したヘキルリランポーの種 24年6月上旬

【実生・種蒔き~発芽】

観察期間:2024/09/01播種~
置き場所:室内の窓辺、遮光なし
交配内容:大疣兜丸(父)×ヘキルリランポー(母)

用土:小粒赤玉土・鹿沼土ベースの種蒔き用土、覆土なし(種をポン置き)、2号スリット鉢
水やり:何かと使う「ベンレート水和剤」ではなく、播種後に除菌スプレー。ラップして腰水を継続。

除菌スプレーはマツキヨで売っていたボタニカル成分100%の、台所や机を拭く一般的な用途のもの。室内置きだとベンレート水和剤を使っても次第にカビてくることがありますが、そうそう頻繁に薬品を使いたくないため、種蒔き直後以外は除菌スプレーで代用する、という方法をハオルチアの種蒔きでよくやっています。

この時は「除菌スプレーだけで十分なんじゃないか?」と、ふと思い実施しました。

ヘキルリランポーの種蒔き 24年9月上旬
ヘキルリランポーの種蒔き 24年9月上旬

いくらか調べたところ湿度を高くした方がいいというのは大体共通でした。水を張った容器に鉢を入れてラップするとこんな感じになります。1日おきくらいに水は取り替えますが(カビると嫌なので)、またすぐラップをします。

腰水とラップをした様子 24年9月上旬
腰水とラップをした様子 24年9月上旬

早いもので播種から4日後、発芽が見られました。1週間で概ね生えそろったようなのでラップを外し、腰水も終わり。黄緑色で短いモヤシのようにも見えます。

すぐに屋外移動するのは気が引けたので、しばらく屋内のままでしたが、それでも9月下旬には屋外の花台へ移動、比較的日差しが穏やかなハオルチア用スペースに置きました。

ヘキルリランポーの発芽 24年9月上旬
ヘキルリランポーの発芽 24年9月上旬
1週間で生えそろう 24年9月上旬
1週間で生えそろう 24年9月上旬

以降、10月には初めての液肥を与えてみたものの、週1回の水やり以外は目立った手入れをせず。まだ全然根が張っておらず、上から水をかけると表土と一緒にすぐ浮き上がるので、受け皿に張った水に鉢底を浸けるようにして給水します。

まあ…しっかり立っているものはほぼなく、荒れてしまってますね。こんな状態でも枯死する芽はたまに発生するくらいで、それぞれちゃんと生きています。

そこまで気温は下がっていないのですが、全体的に赤みがかっています。個体によっては、先端に白い毛が見られるようになってきていますね。

発芽後は屋外で栽培 24年11月上旬
発芽後は屋外で栽培 24年11月上旬

【実生・発芽から約9ヶ月後】

冬の室内移動、春の屋外戻しは親株と同じタイミング。あまりにも倒れている様子が気になったので、本数整理がてら土に差し込み直しました。根は相変わらず耳かきの綿のようなものが株の先端にちょっとついている程度のもので、植え直しは苦になりません。

種蒔きから約9ヶ月後 25年6月下旬
種蒔きから約9ヶ月後 25年6月下旬

屋外移動と近しい時期に植え直したためか何本か枯死してしまいましたが、それなりに生きのびています。直径5mm程度に育ち、いくらか将来の姿が予想できる特徴が現れています。

ヘキルリランポーそっくりの無地のもの、兜丸譲りの白い斑点を持つもの…。よく見たらほとんどの個体が星形になりそうです。整理した時に成長が悪いと思って廃棄したのが兜丸に似て丸くなるはずの個体だったのでしょうか。それとも星形が遺伝的に顕性なのでしょうか。

9ヶ月で約5mm 25年6月下旬
9ヶ月で約5mm 25年6月下旬

【実生2回目】

観察期間:2025/03/16播種~
置き場所:室内の窓辺、遮光なし
交配内容:大疣兜丸(父)×ヘキルリランポー(母) ※1回目と同じ

用土:小粒赤玉土・鹿沼土ベースの種蒔き用土、赤玉土細粒の覆土をうっすら、2号スリット鉢
水やり:「ベンレート水和剤」なし、除菌スプレーなし。ラップなし、腰水なし。種蒔き時の底面給水のみ。

1回目の種をまだ半分ほど残しておりまして、若干条件を変更。春蒔きがよいのか、発芽に光は必要なのか、湿度は必要なのか、腰水は必要なのか…などがテーマでした。

ヘキルリランポーの種蒔き2回目 25年3月中旬
ヘキルリランポーの種蒔き2回目 25年3月中旬

この条件だと種蒔き後1週間が経過しても発芽ゼロ。これはまずいと思って1回目と同じくラップと腰水を実施、さらに1週間後にやっと次の写真通り若干の発芽に至りました。9月より気温は低めですが、やはり継続的な湿度が発芽には必要なのだと思われます。

種蒔き2回目の発芽 25年3月下旬
種蒔き2回目の発芽 25年3月下旬

5月中旬にはこちらも屋外に移動、種蒔き1回目の鉢と同じ管理へ移行しました。そしてふと気づくと…地味に本数が増えているのです。ラップするほどでなくても周期的に水分補給される程度でいいのでしょうかね。もしくは梅雨の影響でしょうか。

これだけ発芽していれば、とりあえず光は発芽そのものには関係ないようです。覆土がある状態での発芽だからか、ちゃんと株が立っているのが嬉しいところ。

比較的ずんぐりむっくりしているのは何故なのでしょう。屋内にいた期間は2回目の方が長いのですが…。もしかしたら背丈の低い個体は屋外に移してから発芽した株なのかもしれません。(屋内で徒長する期間が無かったということ)

種蒔き2回目の4ヶ月後 25年7月下旬
種蒔き2回目の4ヶ月後 25年7月下旬

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