【こんな方向けの内容です】
・設置場所に屋根がなく雨が直撃
でも日当たりと風通しがよく、
どうしても多肉や観葉を置きたい
・ハウスや温室まで欲しくはない
つまりただの「軒下」がほしい
・既製品ではなくカスタマイズしたい
見た目はそれほど気にしない
・でもノコギリやトンカチを使うのは
作業音が気になるの控えたい
まさしくこれが私の状況でもあったわけで、似たような思いをされている方の参考になれば幸いです。
【目次】
100円ショップ資材で作る花台
【直近の作例・全体感】
トップの写真が植物の設置までした状態ですが、製作直後の様子がこちら。
木や釘を使わない代わりに、基本素材に選んだのはワイヤーネット。よく台所用品を吊るす使われ方をする金網ですね。
キッチン用品だけあって雨に濡れても大丈夫。4年ほど屋外で使用していて、若干塗料のひび割れから錆が生じている箇所もありますが、ダメになるほどではないです。
サイズは様々(大きさにより100円超のものあり)です。天板や底板に使うものは鉢の個数に、側面板に使うものは植物の背の高さや出し入れのしやすさに直結します。花台置き場のスペースも含めて選びましょう。
【花台の足】
ワイヤーネットを床に立てておくための足パーツが販売されています。これを装着したワイヤーネットを側面板として使い、天板と底板を間に挟むことで、花台のおおよその形ができあがります。
花台の構造ができていれば必須というものではありませんが、安定性強化が目的です。足先の長い方は内側に向けて、うっかり足先を蹴飛ばす危険性を減らしました。
【天板】
天板の長さは底板と同じではなく、少しはみ出すようにして「ひさし」を作ると、斜めに雨が当たったときの安全ゾーンが増えます。
さらに季節によって、防虫ネットや寒冷紗等を洗濯バサミで留めます。どちらも100均にありますよ。
【底板】
金属製のワイヤーネットとはいえ、鉢の重みによる「たわみ」が発生します。凹型になってしまうと鉢が置きづらくなってしまいますね。
木の板などを使わずに解決する方法のひとつ、それは底板の下に別のワイヤーネットを縦に配置すること。平面の物体でも立てれば柱代わりになるんです。
底板の上には鉢の転倒防止のため鉢底ネットを敷きます。ワイヤーネットの格子は数cm間隔のため、何もしないと小さな鉢は接地面が少なく不安定になってしまいます。
【パーツの連結】
ワイヤーネットをつなげる部品も販売されています(次の写真左のネジ止めされているもの)。
ただこの部品は自由に動かせるよう隙間を持たせて連結するものなので、ガッシリ安定してほしい花台としては少し問題です。そこで部品の右にあるようにアルミ線を巻いて固定しました。
アルミ線の端は内側に折り込みました。先端が出ていると手を怪我したり、上に被せる雨よけ用シートに穴を開けてしまう原因になるためです。
スチールの針金でも構いませんが、硬くて作業しづらいです。加工のしやすさという点では麻紐もアリですが、水に濡れずとも劣化しやすく、1年経つと脆くなっています。
【雨よけ用のビニールシート】
マルチシートという、保温や雑草防止などのために畑に敷く資材を使いました。幅広で長い透明なシートというのがポイントです。もし見つからなければ切り開いたゴミ袋で代用できます。
強度面ではゴミ袋の方が上のようです。マルチシートは面積は広いものの、もともと適宜穴を開けて苗を植える使い方をするので、あまり頑丈なものではありません。
ビニールシートの上に防虫ネットを被せるなど、直接ビニールに触れない工夫をすると傷つきにくくなり、底の平たいものなら気軽に置けるようになります。
なお、ベランダ隅に置くことにしたので、シートを完全に張ってあるのは雨が直接当たる天面と右側面のみ。左・後は少しかかる程度、前は全開放です。なので風通しも良好。
シートの端は丸めてワイヤーネットの下の方に直接縛りつけます。セロハンテープは水耐性がなく、水が当たらないよう工夫しても日光で劣化するため剥がれやすく、おすすめしません。
【エアプランツイン】
ワイヤーネットを使っているため、中にエアプランツなどを掛けることもできます。
ワイヤーネットと同じような商品として、石鹸などを置くためのキッチンカゴがあり、私はそれにエアプランツを入れています。もともとワイヤーネットに引っ掛ける想定で作られた商品なので、特に加工もせず本当に引っ掛けるだけで配置できます。
※エアプランツは雨ざらしにできることを後で知ったので、現在は花台の中に掛けてはおりません。ただ都市部の雨では汚れるという話も聞きますので、きっちり水管理できるなら雨に当たらない方がよいと思います。
【費用・時間と耐荷重】
パーツ費用は合計1800円(税抜)くらい。ここで使用した資材は全て100円ショップで用意しました。サイズにより100円ではないワイヤーネットを含みます。
作成時間は2~3時間程度。予めどう作るかを想定、スペースの計測、資材準備などをしておくことで短縮できます。想定外のことや、改造の欲が湧いてくると長くなりますけどね。
耐荷重はわかりません!太い支柱を持たない構造なので、重量のある陶器鉢をたくさん入れたらどうなるかは不明ですが、トップ写真の鉢くらいであれば十分です。
【これまでの作例】
天板が低く、出し入れに苦労した1作目。天板には半透明のプラ板をかぶせてあるものの、横からの雨の吹き込みに気づいていませんでした。
1作目を解体して作り直した2作目。天板を高くして出し入れ不便を改善、園芸用支柱をX字に使い補強。雨よけシートとして贈答用の透明ラッピングをセロハンテープで留めていた時期です。
さらに解体&作り直した3作目。屋根型の天板はフィルムが貼りにくいので平面に変更。底板の位置が低く日当たりがそれほど良くないこと以外、ほぼ満足いく仕上がりでした。
【経年劣化】
さて、100均の資材はいつまで使えるのでしょう? 1作目となる17年から資材のワイヤーネットは買い替えをしておりません。組み直しはしているものの、購入してから屋外に置きっぱなしです。
次の写真は24年のもの。つまり7年経過です。ワイヤーのコーティングが割れてしまっています。確か100均のワイヤーネットは「直射日光が当たる場所で使わないように」といった注意書きがあったような気もします。
でも我が家の台所にあるワイヤーネットも同じくらいの年数でひび割れてきていますし、元々これくらいの寿命なのでしょう。強度はまだあるのであと1・2年は使いますが、そろそろ替え時と思われます。
また、汚れも次第にひどくなっていきます。拭いても結局屋外ですし、花の蜜やら栄養剤を含んだ水滴やらカビの原因になりそうなものが付着することもあります。このあたりは割り切りが必要でしょうね。
スチールラックで作る花台
【直近の作例・全体感】
スチールラックのメリットは、太い支柱による強度です。私の場合は小鉢をたくさん並べ、重い陶器鉢もいくつか置きたかったので作ることにしました。
作成の要点は前述のワイヤーネット版と同じ。ラックを組み、「ひさし」を作るために天板の幅より少し長いワイヤーネットを載せ、そこに雨よけ用シート、寒冷紗や防虫ネットを被せます。
私のベランダは壁に若干段差があるので、そこに「ひさし」がはまるように設置しました。
広いと自由に、たくさん鉢を置けます。とても爽快です。小さいながらも「業者みたいな感じになってる…?」と思うかもしれませんね!
【スチールラックを探す】
ホームセンターにもありますが、重いので通販が便利。屋外設置のため防錆加工があるものにしましょう。
サイズや段数は様々。私は洗濯物干しスペースの関係で背が低めの3段にしました。それでも長い柱サボテン用に間隔を大きくとるため2段とし、余った1枚の板は台車に作り替えてしまいました。
リサイクルショップで探すのも一つの手です。ただし防錆かどうかは判断しづらいかもしれません。
私の場合、1000円未満で小さなものを見つけたので、試しに購入したところ、1年で次の写真のように錆びました(強度上の問題は特に起きていませんでしたが、結局買い換えました)。
買い換えたのは、上にも紹介しているアイリスオーヤマのスチールラック。20年に購入しまして、次の写真は24年のもの。4年経過の状態です。
確かに銀色部分が残っているので錆に抵抗力はありそうな感じ。片側だけ錆が広がっていますが、壁側で比較的雨が当たらない方向なのですよね…。組み立て時に傷でもつけたのかもしれません。
なお支柱一番下の足パーツは、棚にしまってあった出所不明のモノ。偶然取り付けできたので使いましたが、メッキされていなかったため設置してすぐに錆びてしまいました。
【シートを固定するパッカー】
農家さんがハウスを作るとき、支柱にビニールシートを固定するU字状のパーツです。使い方はシートを挟んではめ込むだけ。
洗濯バサミなどよりずっと強く固定でき、かつ突起もないので、近くを通った時に引っ掛けて壊してしまうようなことも起こりません。なかなか便利な道具です。(ツマミがある商品もあります)
私のスチールラックの支柱は19mmに対し、用意したパッカーの内径は20mm。差の1mmが気になりましたが、実際はシートなどの厚みで埋まり、ジャストフィットしました。
【パッカーを探す】
農業・園芸用品のひとつなので、そういう資材も扱っているホームセンターや園芸店にあると思います。ただ私はあいにく近所で見つけられなかったので、通販で購入してしまいました。
【余った板で台車作り】
スチールラックの板は、キャスタを取り付けることで「台車」になります。業務用でよく見かける、取っ手のない平台車のイメージです。
物を載せるのですから、キャスタは天面に大きな突起がでないよう、ガッチリ固定しなければなりません。見た目を気にしない私は、キャスタを直接アルミ線でくくりつけました。強引ですが上記を満たせばいいのです。
キャスタは360度回転のゴム車輪がフローリング床で動かしやすいです。プラスチック製だとうまく床にかまず、車輪が滑って向きが変わらないことがあります。
ゴム車輪は100円ショップにあまりないので、ホームセンターで固定方法を考えながら現物を見るのがおすすめです。
作成した台車は、冬に室内退避する植物の置き場にしています。部屋が狭いので生活に合わせてあちこち移し、天気のいい日は窓辺に動かします。鉢を直接動かすより断然楽ちんですよ。
この台車はとても薄いため、使わないときはどこかの隙間に片付けて置けるのもポイント。
ちなみに後ろスチールラックは天板をあえて低くし、鉢を載せられるようにした台車です。作りようによっては、支柱や渡し板を設けることで、普通の台車のようにすることも可能でしょうね。
すのこ
地面の高温が鉢に伝わらないよう花台として使える資材です。
100円ショップに通年あります。ただし園芸好きの人、もしくは新生活を始める人が狙っている?のか、品薄になる時期があるようです。だいたい3月。早めに買っておきましょう。
サイズは幾らかあり、小さいのは2個セットのことも。小さい方が使い勝手に優れるでしょう。
大きい方に比べ配置の自由度が高く、板の間隔が狭いので小さな鉢でも安定しやすくなります(鉢底ネットを使うとさらに置きやすい)。また足の間隔も狭いため、大鉢を載せても案外と変形しません。
便利ではありますが、屋外使用では劣化のため2年おき程度の交換をおすすめします。踏むと簡単に割れたり、足が板から取れやすくなったりしているはずです。
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