アジサイ(育ち方)

アジサイ スターリットスカイ

【品種名】

アジサイ スターリットスカイ

【魅力】

鮮やかさとボリューム、プレゼントに使いたくなる花。お店で売っているアジサイはこんもり、まるまるとして素敵の一言に尽きます。

で、それ家で育てられるの? こう思うのです。

本ページはアジサイ未経験の私が、付属の説明書や肥料のパッケージの裏なんかを見ながら、とりあえず枯らさないこと、花を咲かせることを目標に素人なりに管理した記録です。ギフトとして贈った後/もらった後が心配な方々の参考になれば幸いです。

【目次】

  1. お世話(水やりなど)
  2. 特徴(花・葉・根など)
  3. 繁殖(種・実生など)

お世話(水やりなど)

【我が家での栽培環境】

最上階の屋根無し南向きベランダであり、天気がいいと暑く乾燥するため、半日陰の状態ができるだけ長続きする場所を見つけ、年中その場所に置いています。水切れが一番の敵です。

具体的には磨りガラス状のフェンスがある、ベランダの隅。日中の光は磨りガラス越し、隅なので午後は一番早く日陰に入ります。直射日光が当たるのは朝の早い時間帯のみ。夏はベランダ全体に光量75%カットの黒い遮光ネットを掛けます(アジサイ以外の植物にとっても真夏は危ないので)。

【水やり】

夏は1日1回、それ以外の季節は2~3日に1回。開花から暑い時期は朝夕の2回やった方がよいらしいです。

でもそんなにこまめに行うのは面倒ですし、事情でできないことだってあります。なので、株に対して大きめ鉢に植えることで対処しています。

【用土・肥料】

土は一般的な草花用で、表面はマルチバークで覆っています。肥料は当初いつもの白いボーロ状のものを使っていましたが、せっかくなのでアジサイの青花用(酸性)・赤花用(アルカリ性)それぞれを用意して、鉢ごとに使い分けてみました。

しかし、もともとブルーが美しい品種だからなのか、アルカリ肥料を施しても部分的に微妙な紫になる程度の変化しか起こらなかったので、酸性のものに切り替え中です。

なお、肥料の時期と量はパッケージ等に書いてある用法を守りましょう。何ら気にせず施していると葉の形や色がおかしくなる障害を起こしてまうみたいです。

アジサイに使っている用土類
アジサイに使っている用土類
微妙な紫色 22年6月中旬
微妙な紫色 22年6月中旬

【病気と害虫】

高温期にはハダニがいます。殺虫剤のスプレーを使うこともありますが、そんなに頻繁に使いたいものではありません。しかしどこからともなく湧いてくるので、ときどき葉の裏を水で洗い流すようにしています。霧吹きスプレーは霧と直射の中間、粗い水滴が強く吹くくらいがちょうどいいです。

病気らしい病気にはこれまでかかっておりません。

【主なメンテナンス】

枯れた下葉取りは見つけたら行うとして、剪定や植え替えがあるでしょう。そのどちらも、限りある水資源をどれだけ有効に使うか、に通じるのではないかと思います。

地植えではなく鉢植えですと、鉢の大きさにまず限界があります。そしてお世話をする人間側も、一日のうちに面倒を見れるタイミングは決まっています。給水器具にまで手を出すほどハマるか、ライトに済ませたいかという熱量でも、多かれ少なかれ制限されます。

つまり、生き残れるようにアジサイ君を仕立ててやるのですよ。以下に購入後の様子をご紹介しますのでご参考ください。

まずは花後の植え替え。普段の適期は秋もしくは春の初めのようですが、購入時に限っては花が終わった後に植え替えした方が生育が良くなるとのこと。

元は5号鉢に6株 18年5月下旬
元は5号鉢に6株 18年5月下旬

アジサイも商品ですからね…見た目がよくなるように小さな鉢にたくさんの株が植わっているのでしょう。つまり私たちの手元に届くために、アジサイ君はがんばっている(がんばらせている)。本職の花屋さんならそのまま管理できるかもしれませんが、私たちには先述の通り限界があります。

鉢から出してみると素晴らしい根の回り具合ですが、商品として質がいいとこの時点では評価できても、この先育つスペースとしては不足しているとも考えられます。なので、アジサイにも私たちにとっても、お互い余裕もって生活できるようにする植え替えです。

素晴らしい根の張り 18年6月上旬
素晴らしい根の張り 18年6月上旬

目標は夏の水やりを朝夕の2回ではなく1回で済むようにすること。なので株と鉢のバランスを変えます。5号鉢に6株から、6号鉢に2株へ。広い部屋に住むぞ!

付属の説明書によると「根鉢を崩さないように」がポイントらしいので、ケーキを切るイメージで分割、また剪定がてら翌年の花が見込める程度に茎も切り詰めました。根付くまで水分が蒸発しすぎないよう、残す葉も2枚だけ。

2株ずつ6号鉢へ植え替え 18年6月上旬
2株ずつ6号鉢へ植え替え 18年6月上旬

正直、やりすぎたかと気がかりでした。しかしそんな心配をよそに、1ヶ月後には新しい葉がモリモリ出てきて無事定着。アジサイはよく水切れで萎れているイメージがあるのですが、水さえあればタフなようです。

アジサイは頑丈! 18年7月上旬
アジサイは頑丈! 18年7月上旬

そんなタフさに味を占めた私は、肥料を分量気にせず適当に施肥。葉が変に縮れてしまう肥料焼けのような症状を起こしてしまいました。

ということもあって12月の初めに新しい土で改めて植え替え。植え替え適期ではありますが、7月に行っていたので今回は予定外です。鉢はさらに水やりの安定性を求めて6号から8号へと大きくしました。

予定外の植え替え 18年12月上旬
予定外の植え替え 18年12月上旬

植え替えの連打も平気で乗り越えたアジサイ。4月の終わりには葉が生い茂り、期待していたつぼみを見つけることができました。もう心配しない。いつものペースで水やりを続けるだけです。

緑の濃い葉がぎっしり 19年4月下旬
緑の濃い葉がぎっしり 19年4月下旬
ちゃんとつぼみもある 19年4月下旬
ちゃんとつぼみもある 19年4月下旬

開花しました! 自分自身の手で1年管理して咲かせた花です。濃い緑に映える清々しいブルーが、まるで労ってくれているかのような、嬉しいひと時を迎えることができました。

花自体は小ぶりですが、まぁいいじゃない、本職ではありませんんから。枯らしてしまうかもしれないという心配が払拭できたのが成果です。花を大きくするのはこれから考えましょう。

自分で咲かせたアジサイ 19年6月中旬
自分で咲かせたアジサイ 19年6月中旬

図体は見違えるほどでっかくなっちまったがな!「葉の項目」にもあるように、特徴的な葉も楽しみのひとつではあるので、これでもいいかな、なんて思っています。

昨年に比べよほどでかくなった 19年6月中旬
昨年に比べよほどでかくなった 19年6月中旬

さすがにデカすぎたか、8号鉢でも夏場1日持たないこともあったので、ロングタイプの8号鉢に植え替えて今に至ります。また、花後は翌年咲かせる予定の株3本を残して他は全部切るようにしました(次の写真のアジサイも7月に入ってバッサリ剪定しています)。

育ちすぎたがゆえに水不足で枯れてしまっては元も子もありませんから、調整です。我が家の環境ではこのくらいの鉢サイズ・株規模で釣り合いが採れるようです。

8号ロング鉢に植えたアジサイ 22年6月中旬
8号ロング鉢に植えたアジサイ 22年6月中旬

特徴(花・葉・根など)

【開花期】

5~6月

【花】

ゆったりとした浴衣のような花びらと爽やかな青が魅力のスターリットスカイ。丸い花びらや八重咲とも変わって面白い見た目をしていますね。

色鮮やかなアジサイは、虫がちょこんとその上に乗っているだけでも絵になります。カタツムリがポピュラーですが…我が家ではカマキリの子供でした。

アジサイ スターリットスカイの花 18年5月下旬
アジサイ スターリットスカイの花 18年5月下旬
カマキリの子onアジサイ 19年6月中旬
カマキリの子onアジサイ 19年6月中旬

スターリットスカイはガクアジサイの仲間なので、ひらひらした「装飾花」は花のカタマリの縁に生じます。本当の花はカタマリの中心部にある、次の写真のようなつぶつぶした彼らです。これはこれで小さくて可愛らしいですね。

(ちなみに、この真ん中の花たちも装飾花になって、全体が花のボールのようになったアジサイは手まり咲きと言います)

真ん中がアジサイの本当の花(開花前) 23年6月上旬
真ん中がアジサイの本当の花(開花前) 23年6月上旬
アジサイの本当の花(開花後) 23年6月上旬
アジサイの本当の花(開花後) 23年6月上旬

アジサイの中には開花後そのままにしておくと緑っぽくなり、一風変わった趣を味わえる品種があります。「アンティークのような色合い」「秋色」などと表現されます。スターリットスカイもそのうちのひとつのようです。

ふつうアジサイというと鮮やかな色調のイメージですが、せっかく自宅で育てているのであれば、こういった変化も味わいのひとつと捉えて楽しみましょう。

秋色になったアジサイ 19年7月上旬
秋色になったアジサイ 19年7月上旬

つぼみが花開き、青い花びら次第に広がっていく様子は、毎日観察したくなるポイント。先述の秋色も含め、アジサイは花の変化にワクワクする植物ですね。

色づき始めのスターリットスカイ 19年5月下旬
色づき始めのスターリットスカイ 19年5月下旬

【葉】

スターリットスカイは葉の形状も特徴があります。切れ込みが幾分深くゴワゴワした印象は、よく見かけるアジサイの丸く優しい葉とは対照的。まるで親父の手のようです。

実は私、花と同じくらいこの葉も好きで、アジサイを観葉植物寄りの視点で楽しんでいます。花は小ぶりになっても、樹勢が強く、葉が茂ったらそれはそれでこのアジサイはかっこいいんです。

スターリットスカイの葉 18年5月下旬
スターリットスカイの葉 18年5月下旬

春~夏にかけての葉は成長期ということもあってか、若々しくて活き活きとしています。それから秋の終わりまでも新しい葉は出ることは出ますが、それほどフレッシュ感はなく、のらりくらり過ごしているような印象です。

冬になると先端に固い芽を残して落葉します。ただ最近は冬が暖かいのか落葉が半端です。ちゃんと寝ません、この子。翌春の目覚めから茂っていくまでの様は、見ていて楽しいですよ。

落葉している冬の芽 18年2月上旬
落葉している冬の芽 18年2月上旬
春になり動き出した芽 19年3月中旬
春になり動き出した芽 19年3月中旬
成長期に入るアジサイ 19年3月下旬
成長期に入るアジサイ 19年3月下旬

【根の広がり・鉢の形状】

鉢は深い方をおすすめします。「主なメンテナンス」で通常型の8号鉢に植え替えましたが、マルチバークで覆われる厚さ、鉢底石を入れる厚さを差し引くと、通常型では十分な量の土が入りません。

根がびっしり回ったとしても、そもそもの鉢の容量が少ないとすぐに水切れしてしまいます。

通常型8号鉢の中 20年1月上旬
通常型8号鉢の中 20年1月上旬

繁殖(種・実生など)

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