【品種名】
サンスベリア マッソニアーナ
【魅力】
大判の葉が地面から直接バーン!と生えるっ!ただし株につき1~2枚のみ。パッと見ではデカい葉が土に突き刺さっているだけのようにも映るでしょう。シュールな感もありながらインパクトたっぷりです。
我が家のは斑入り種でアートな風合いですが、通常種も緑一色ではなくグリーンの濃淡模様を持ち、力強い印象があります。どちらも、鉢にもこだわってあげると、より魅力が引き立つでしょう。
【目次】
お世話(水やりなど)
【我が家での栽培環境】
春~秋:最上階の屋根無し南向きベランダ。直射日光ゾーン(夏のみ白い寒冷紗)、「自作の雨よけ花台」の中、風通し良好。(日差しは午前中~午後一くらいまでで、それ以降は日陰となり西日は当たりません)
冬:最低気温10℃前後を境に室内へ。窓際のレースカーテン越しの光があたる場所です。
全体的には同じサンスベリア仲間の「サムライドワーフ」と一緒です。
※デカくなりすぎたため、21年の夏から通年室内に変えました。動かしていると花台の天井に当たることが多くなり、葉先で雨よけ用のビニールを突き破ってしまうのです。室内でも問題なく成長しますが、天気のいい日は外に置いています。
【水やり】
用土が乾いて鉢が軽くなり、葉にシワが少し入るくらいになってから行う程度です。春・秋は乾きが遅いため間隔をより長くし、成長が止まる冬は断水します。
冬の休眠明けの水やりは、他のサンスベリアと同じタイミングで。葉が1枚のため活動の兆しらしきものがわかりにくいです。
排水性を強化した用土で雨ざらしにしていたこともあります。葉の厚みがサムライドワーフに比べて薄いこともあってか、過湿障害は起きませんでしたが、念のため雨よけの下に置き場を変更しました。
さらにその後、上述の理由で室内置きとしたので、もちろん雨はあたりません。屋外のときよりも水やりのスパンは長くなっています。
【肥料】
春~秋の成長期には、白いボーロ状の緩効性化成肥料「グリーンそだちEX」を置き肥として月に1回程度。冬は水やりもしないので肥料も施しません。
植え替えの際に「マグァンプ」を少量入れています。
【用土】
雨ざらしのときは、水はけのよい軽石ベースのサボテン・多肉植物用の土に、さらにパーライトを幾らか加えていました。
現在は、サンスベリアの土と赤玉土(中~小粒)を半々程度+パーライトひとにぎり、という構成です。
栄養事情がよくなったからのか?単に株が成長したからなのか?植え替え直後に伸びてきた葉は長さも幅も最も大きくなりました。(長さ21cm、幅8cm)
【病気と害虫】
まだこれといった病気・害虫の被害はありません。
【主なメンテナンス】
これといってありません。葉はゆっくり増えるので剪定などもなく、手がかからない植物です。
特徴(花・葉・根など)
【開花期】
-
【花】
-
【葉】
年に1枚程度のペースで増えます。既存株の葉数は変わらないので、葉が増える=子株が出るイメージです。これを繰り返して鉢全体で葉数が増えていきます。
子株は葉巻のような、着物の前合わせのような風貌で現れます。これが単に開くだけではありますが、ぐんぐんと大型の葉に育っていきますので、伸びる様子が楽しみになるでしょう。
中央を覗き込むと2枚目の葉がありそうにも見えますが(次の写真)、結局この子株は1枚でした。購入時の親株は2枚同じところから生えているので、気前よく2枚目も伸びたのかもしれません。
※この写真を撮った後、別の株で4枚目まであることが確認できました。ただ通常大きく成長するのは、やはり外側の1枚だけのようです。
成長期の夏に生えた子株はいい感じに葉が広がるでしょう。
秋になってから現れた葉は、小さいまま冬を越して翌年成長を再開するようです。ただ十分に伸び切ることはなく、いくらか埋まったような状態で成長が終わりました。下半分は埋まったままです。
そして翌年、もっと大きいのが生えました。年々サイズアップしていきます。長さ29cm、幅13cm、私の手もかないません。どこまでジャンボになるのでしょうか。
【根の広がり・鉢の形状】
意外や意外、根は芋っぽいんです。大柄な葉に供給する水分を貯めているんでしょうか。芋からは細かな根が生えています。
芋は上から見ると「e」の字のように、鉢のフチに沿って回りながら下の方に進み、底に当たってようやく横に進んで新しい株を作っています。横に広がってくれると嬉しいのですが…こいつは言うことを聞きません。
鉢はロングタイプをよく見かけますが、逆の浅い鉢に植わっていることもあります。もしかしたら浅い方が早く底に当たって横に広がるので、成長した葉が干渉しづらくなるのかもしれませんね。
当初4号ロングを使っていましたが、下に伸びて根部の高さが出てしまったので鉢増しの際に通常型の5号スリット鉢にしました(つまり高さはほぼ変えず横へのスペースを確保した)。
これでうまくいったと思いますか? 大事なことを忘れていました! サンスベリアの芽というのは鉢を割って出てくることがあるほどパワフルです。厚みのある鉢でも形が歪みます。「壁があるなら突き破ればいいじゃない?」…ポットブレイカー恐るべし。素直に上に向かってくれよ。
そして当のスリット鉢。こうなりました。
穴があったらそこから出たくなるのが植物の性分でしょうか?既に鉢は歪んでいます。思い直してくれることを願ってしばらく放置したら、図に乗って更に突き出てきたので、やむなく植え替えることに。芽の先端を傷つけないように鉢から外すのが大変でした。
そして現れたのは筋肉モリモリの芋。本気で穴から出るつもりだったらしい…。
フッ、お前が本気なら俺も本気ぞ。ごっつい厚みのリッチェル鉢6号を用意。この鉢を破壊できたら褒めてやると言いながら植えてやりました。高さが足りず古い方の芋が地表に出てしまってますが、どうということはないようです。そしてこのあと無事?上に方向転換し、また一回り大きな葉が生えました。
その後も引き続きリッチェル鉢とはいい勝負をしているのか、形は大きく変わらないまでも、鉢の壁と土の間に次第に隙間ができてきます。やはり鉢をぶっ壊そうと努力している模様。
しかし23年は8月下旬になって新葉が現れました。今までで一番遅い登場です。秋が深まるまでに間に合えば従来並みに育ちそうな規模ですが、生えてきた場所がなんと昨年22年に生えた葉の根元。正確に言うと、22年の葉の中心部に埋もれていた2枚目の葉が成長を再開したようです。
鉢の中ではどんな修羅場になっているのかわかりませんが、さすがのサンスベリアも諦めがついて「いいやもう、ここから伸びてしまえ」と思ったのでしょうかね。
繁殖(種・実生など)
【葉挿し】
サンスベリアは葉挿しで増やせます。しかし「斑入りを葉挿しすると、斑が消えてしまう」と聞きますね。本当にそうなのでしょうか?実際にやってみることにしました!
(故意に実験しようと思ったわけでなく、不注意で落としたトレーが直撃して葉を折ってしまったため、それを使ってのチャレンジです。ごめんよ、マッソニアーナ。)
1週間ほど乾かした後、2号鉢に葉挿し。底石と表面は赤玉土小粒、中間は種蒔き用の土です。置き場はハオルチア用花台の隅。雨の当たらない屋外の半日陰ですが、光量が最も少なく穏やかなゾーンとなります。
念のため初回のみ「ベンレート水和剤」を溶かした水をやり、その後は鉢が軽くなった頃合いに水を与えます。時期が夏場だったのでしばらくは数日おきペースでしたが、そのうち他の植物と同じ週1ペースになりました。
1ヶ月半経ち、鉢底から飛び出している根が見つかりました。ちゃんと発根するものなんですね。
秋に入ると親株のサンスベリアも生育が鈍ってきます。もちろんこの葉挿し株も特に目立った変化は無く、このままの状態で室内越冬し、翌春まで待つことになりました。
葉挿し翌年の4月。そろそろ動き出してもいい頃合いですが、挿した葉が上から急速に枯れてきてしまいました。どうしたものかと思って引き抜いてみると白い芽が! 顕著に大きいものが2本、小さいのが1本。なるほど、水分とエネルギーはこっちに行ったんですね。
夏場の成長を考慮して1サイズ大きい3号鉢に植え付け。赤玉土を被せていますが、中身は親株と同じサンスベリア用の土です。挿した葉の萎れは進むので逐次切り捨てます。
そしてお待ちかねの葉っぱ。見事斑が抜けてスタンダードバージョンに!
9月までで約8cmに成長。同じところから2枚目の葉がじわりと伸びてきていますが、季節からすると今年はここまででしょう。2つあった大きな芽はそれぞれ地表に出てきたものの、結局最初に出てきた方だけが残りました。(私の指の陰になっているのがもう片方の芽)
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