エバーフレッシュ(育ち方)

エバーフレッシュ

【品種名】

エバーフレッシュ

【魅力】

ふさふさと広がる、やわらかい葉。その隙間から光がこぼれる様は、まるで緑のレースカーテン。生命力が強く、バッサリ剪定しても新芽がすぐに現れ、室内でもモリモリ育ちます。

まさしく「エバーフレッシュ」の名の通りですね。いつも元気と安らぎをおすそ分けしてくれる鮮やかなグリーンです。

【目次】

  1. お世話(水やりなど)
  2. 特徴(花・葉・根など)
  3. 繁殖(種・実生など)

お世話(水やりなど)

【我が家での栽培環境】

年中室内。午前中~お昼くらいまでレースカーテン越しに日光が当たる窓辺。冬は下がっても10℃くらいです。

乾燥に弱い・耐陰性があるということで、我が家では場所・水・土・肥料まで全て「テーブルヤシ」と同じです。問題なく成長してますよ。

【水やり】

1~2週間に1回。冬はやや間隔は開きますが、暖房で乾燥するため、水が不要というわけではありません。水の量は鉢底から流れ出るくらいたっぷりと。

後述の葉の項目にあるように葉は昼夜に応じて開閉しますが、日中でも閉じたままになっている場合は水が欲しいというサインです。

【用土・肥料】

用土・肥料ページの観葉植物グループに詳しく記載してありますので、ご参考ください。

【病気と害虫】

まだこれといった病気・害虫の被害はありません。

【主なメンテナンス】

水やりの際は葉水とホコリ落としのため上からシャワーをかけます。シャワー直後に葉は閉じますが、しばらくするとまた開いてきます。

剪定は随時でよいと思います。成長するかしないかは気温15~20℃が境らしく、冬でも暖房でそれ以上の温度になっていると、年中伸び続けることになります。

エバーフレッシュにはバシバシ切っても「またすぐ生えてくる」回復力があります。やり過ぎたかどうかなんて杞憂に終わるでしょう。

10号鉢 強剪定後(元は枝のうねりが上にもうひとつあった) 18年9月
10号鉢 強剪定後(元は枝のうねりが上にもうひとつあった) 18年9月
さらに切り詰め7号鉢にダウンサイズした 18年9月
さらに切り詰め7号鉢にダウンサイズした 18年9月
1ヶ月でもさもさの葉姿に回復 18年10月
1ヶ月でもさもさの葉姿に回復 18年10月
冬の室内でも成長 葉の層がもう一層増えた 19年1月
冬の室内でも成長 葉の層がもう一層増えた 19年1月

これ以降も伸びまくって窓から差し込む日光の高さを超えてしまい…また切ります! 根元近くの痕跡的な芽があるすぐ上で、剪定というより切り戻しですね。切断後は殺菌剤「ベンレート水和剤」入りの水をやっただけで、置き場はそのままです。

切り戻し 20年9月
切り戻し 20年9月

10日で新芽が発生。新芽のすぐ下にある茶色い枝が切断時に残した芽なのですが、本当に痕跡だったようで全く動きなし。その付近から芽が出ているので、少なくとも成長ポイントではあったようです。

最終的に枝は周囲5ヶ所から発生。へこたれない植物です!

切り戻しから10日後の芽吹き 20年9月
切り戻しから10日後の芽吹き 20年9月
切り戻しから20日後 20年9月
切り戻しから20日後 20年9月

特徴(花・葉・根など)

【開花期】

5月、8月~9月

【花】

花芽は枝の分かれ目に葉の芽と一緒につくことが多いようで、最初は桑の実・サッカーボールのような凹凸のある球状をしています。

次第にその凹凸が棒状に伸び、先端に何本もの黄色い雄しべが噴き出してポンポンのような花になります。(それに混じって少しだけ出現する、先端に膨らみのない白い棒が雌しべなのかも?)

花芽が気温の下がる秋についた場合、翌春までそのままの状態で越冬します。

花芽(季節により濃い茶色の場合あり)
花芽(季節により濃い茶色の場合あり)
少し大きくなった花芽
少し大きくなった花芽
凹凸が棒状に伸びる
凹凸が棒状に伸びる
棒がさらに伸びて開花間近
棒がさらに伸びて開花間近
開花し始め 前の写真から約18時間後
開花し始め 前の写真から約18時間後
満開! 前の写真から約6時間後
満開! 前の写真から約6時間後

【葉】

枝の両側にシダのような葉が対になって生えます。1つの枝にだいたい5~7対つくようです。樹の規模に合わせて増えていくのかもしれませんね。

葉は昼間に開き、夜はパタンと閉じる周期運動を行います。それなりに昼夜のリズムを持っていますが、室内の照明の影響で夜でも開くことがあります。

閉じた状態
閉じた状態

新芽はどこかワラビやゼンマイを想起させる形です。クルクル丸まってはいませんが、シダっぽいですよね? よく見ると、小さな葉がぎっしりと重なっています。

新芽
新芽
少し伸び始めた芽
少し伸び始めた芽
羽状の葉が見えるまでに展開
羽状の葉が見えるまでに展開

生えたての若い葉は茶色味を帯びています。この段階での開閉運動はそれほど強くありませんが、緑色が濃くなってくるにつれてしっかり行うようになります。

茶色→黄緑→緑 と葉は一人前になっていく
茶色→黄緑→緑 と葉は一人前になっていく

なお、葉が対になって生える基部には水滴が生じます。若い葉の時は透き通っており、タイミングや角度によって、月桂冠がところどころ朝露で輝いているように見えて綺麗です。

しかし触ってはいけません! ベタベタします!

見るだけにしましょう。機能はわかりませんが、葉が成長していくにつれ透明感のない黄緑色に変化、サイズも小さくなります。最終的にほぼ気づかない程度になりますが、無くなりはしないようです。

葉の根元に現れる水滴 触らないでね!
葉の根元に現れる水滴 触らないでね!

気温が低いときに生えた葉・花の芽は茶~黒っぽい色です。エバーフレッシュの冬服なのでしょう。そのまま冬越しすることになるでしょうが、枯れているわけではないので成長には問題ありません。

濃い色で生えてきた芽
濃い色で生えてきた芽
普通に成長する よく見ると水滴もあります
普通に成長する よく見ると水滴もあります

【葉・生える位置】

さて、あまりにもホイホイ枝が伸びるもので、いっそのこと思いっきり曲げてやろうと思いました。枝の誘因です。よく見かけるのは波打つように左右にくねらせた形。でもそれじゃあつまらないなぁ、一回転したらどうなるのだろう? …なんて好奇心にそそのかされて、つまり、こう。

枝をグイッと曲げられたエバーフレッシュ 23年2月下旬
枝をグイッと曲げられたエバーフレッシュ 23年2月下旬
図示するとこんな感じ
図示するとこんな感じ

当初はやり過ぎた感がありましたが、次第に慣れました。葉は枝の先端についているものだけ残しカット。重力・位置関係的に下になっても維持成長するのかが疑問だったためです。

ひねくれて枯れてしまうかと思いきや、しばらく経っても普通に先端の葉は維持されています。さすがに新芽が出る様子はありませんでした。そして気づいてしまったのです。

エバー、それはヒゲ 23年2月下旬
エバー、それはヒゲ 23年2月下旬
眉を生やしたエバーひげ氏 23年4月下旬
眉を生やしたエバーひげ氏 23年4月下旬

悪ふざけに付き合ってくれるエバー。いいやつだなぁ、おまえ。湾曲させてから数ヶ月後、先端の葉は相変わらずそのままに、位置的に最も高い場所の芽が威勢よく伸びてきました。そしてフサッとした眉毛のような葉になっていく…。

つまり、成長部位は必ずしも枝の先端ではなくて、重力的に一番上ということ。学生の頃、理科だか生物の授業で習った頂芽優勢という単語。そうか、あれは言葉通り「てっぺん」の位置になる芽を指しているのか、なんて思い返した出来事でした。

【根の広がり・鉢の形状】

18年9月から3年半経過した22年4月の植え替え時の写真。元気よく育つ地上部のわりには根鉢になっていませんでした。かなり土が流出したのか、引き抜いたらパーライトが目立つばかりの状態。少し触れるとパラパラと崩れ、こんな感じになってしまいました。

エバーフレッシュの根 22年4月
エバーフレッシュの根 22年4月

初回の植え替え時には柄つきタワシ並みにまで根を切り詰めても、10日程度で新芽が動き出すほどの早さで復活した彼。今となっては土に養分がなくなり成長力にも衰えが…とはいかず、この春もニョキニョキ新しい葉を出しておりました。一体、この原動力は何なのでしょう?

答えはもしかしてこれか!

根粒菌のコブ 22年4月
根粒菌のコブ 22年4月

根粒菌! 見た瞬間、水耕栽培に使うハイドロコーンかと勘違い。使った記憶もないのに、どうして根っこに召し抱えてるのだろうか…と、頭をかしげました。

こんな姿格好のエバーフレッシュですが、実はマメ科だそうです。根粒菌は植物に窒素分を供給してくれる良い子たち。なるほど、だから多少土が瘦せてようがお構いなしだったのですね。

次の写真は植物園の温室の中で偶然見かけた、エバーフレッシュの実。この根粒菌を目にしたタイミングで撮ったのを思い出しました。確かにマメだ!

エバーフレッシュの実 21年11月
エバーフレッシュの実 21年11月

鉢は深いものをよく見かけますが、通常型でも構わないと思います。葉がやわらかく引っ掛けて倒すことはあまりないですが、さすがに主枝は硬く、背も伸びやすい植物なので安定感には注意しましょう。優しい印象なので色はホワイトがおすすめ。

繁殖(種・実生など)

トップページへ戻る

↓ハートを押して「いいね」いただけると励みになります!