【品種名】
シロバナタンポポ
【魅力】
花言葉が「私を探して、そして見つめて」だそうです。華やかなアピールはできない雑草が「探してください」と言っています。そのうえ見つけ出して、なおかつ「見つめてください」とまで申しております。
一介の草花に過ぎないシロバナタンポポの秘めたる想いや如何に!とても愛らしいものです。白いささやかな花が目に入ったら、このロマンチックな花言葉を思い出してくださいね。
なお、東京では見かけたことがありません。私の実家にある佐渡ではたまに見かけます。生け垣の下や田んぼのあぜ道など、黄色のタンポポに混じり咲いています。
【目次】
お世話(水やりなど)
【我が家での栽培環境】
最上階の南向き屋根なしベランダ。午前中~午後一くらいまでの日当たり、風通し良好。
床面は日光でかなり厚くなるので「すのこ」上に鉢を置いています。
【水やり】
週1回程度。雨が時折降るようならそれで十分です。
真夏は1日~3日おきに1回くらい。気温・日照・土の保水力等で頻度は変わります。夕方~夜に水やりして、葉が朝までにピンと元通りになっていれば問題ないと思われます。
回復しなかった場合は頻度を増やすか、置き場所をもっと日陰になるところへと変更すべきでしょう。
【肥料】
固形肥料「グリーンそだちEX」や液肥「ハイグレード」を使用。無肥料でも育ちますが、やはり肥料があった方が花の数が全然違います。
【用土】
園芸店で販売している草花一般用をベースに、赤玉土、鹿沼土、ピートモス等をブレンド。
サボテン・多肉植物用の土で試したところ早い段階で枯れたので、アルカリ性寄りの土は合わないと考えられます。
水はけが悪いと根腐れを起こしますので、泥のようになる土はよくありません。ただし水はけを優先しすぎて保水力がないと、乾燥する夏場はダメージが大きくなります。
【病気と害虫】
ハダニ…夏の高温期に発生。葉の緑色がかすれていきます。非常に小さく黒い点々ほどのサイズの虫で、葉の裏側によくいます。水で洗い流して薬剤散布すると一時的にしのげますが、いつの間にか再発生するので、涼しくなるまで闘いの繰り返しです。
ナメクジ、カタツムリ…葉や芽を食害します。薬である程度対応できますが、根絶はなかなか難しいです。なお、目立った傷跡がなくても、小さなカタツムリが集まっていることがあります。そのような株は根腐れを起こしていないか注意しましょう。
鳥…食料が少なくなるからか、冬に食べられたことがあります。葉のほかに根もターゲットになるようです。
うどんこ病…葉に白い粉のようなものが現れます。対応する薬剤は「ベンレート水和剤」や「ベニカXファインスプレー」があります。
ミミズ…鉢の中の土をドロドロにされて、水はけが悪くなり根腐れを起こしてしまいます。
【主なメンテナンス】
①傷んだ葉の処分・風通しをよくするため葉の間引き
生命力は高いので、何かしら被害を受けた葉は遠慮なく切って大丈夫です。傷んだものは病気や害虫の発生源にもなります。
②花は綿帽子になる前に処分
種に養分を奪われないようにするため、というよりは飛散防止です。種が飛んで行ってしまったが最後、思いもよらぬ隙間や隣の鉢から芽を出してきますよ。
③真夏の遮光
日照で過剰に萎びたり葉焼けをすることがあるためです。地上部が枯れても根が生きていれば秋にまた葉が出ますが、遮光すると幾分葉のある状態を維持できます。現在は遮光70%のものを使用しています。
特徴(花・葉・根など)
【開花期】
4月~5月。その少し前の2~3月頃には、株の中心部から狭苦しく感じるほどに何個ものつぼみが頭を出してきます。
【花・美しさ】
花茎は通常であれば20~30cm程度までスラリと長く伸びます。
満開状態はよく見かけるので割愛します。私個人としては咲き始めの状態がおすすめ。つぼみの中に収まっていた花びらの束が整然と揃っていて美しいこと!青空に向けて咲き広がろうとする秘められたエネルギーが感じられます。
天気が良いほど開花の進行は速く、下の写真のような状態から1時間もすれば満開になっています。
条件は不明ですが、同じ株でもたまに渦を巻いたような咲き方をします。
【花・色合い】
上の写真でもわかるとおり、シロバナタンポポなんですが何故か黄色くなってしまいました。移植時に元々あったつぼみは白でしたが、それ以降咲くのは毎年黄色。原因は調査中です。
ただ黄化したとはいえ、白になりきれていない感もあります。次の写真は我が家のシロバナタンポポ、そして同時期に道端で咲いていたセイヨウタンポポです。我が家のものがわずかに色味が薄い、または明るいように見えます。
【花・セイヨウタンポポとの違い】
シロバナタンポポは春のみの開花。セイヨウタンポポのように年中は咲きません。
部位として大きな違いがあるのは、花を覆うように保護している総苞(そうほう)という緑色の器官。「ガク」や「ヘタ」のようなものと言った方がイメージしやすいかもしれませんね。
セイヨウタンポポは外側に反り返ります。
対して日本の在来種は総苞が反り返りません。ただシロバナタンポポは在来種ながら、若干開くようです。移植時に元々あったつぼみの総苞は、確かにやや開きがありました。(昔すぎて画像が粗いです、ご容赦ください)
しかしそれが我が家で黄色くなって以降は、律義にくっついたままになってしまいました。色変化とも何か関連性があるのでしょうか。
【葉】
タンポポも衣替えをします。花の咲き終わり~初夏にかけて大きめの葉がどんどん生え、一年の中で最大のボリュームに。
一番大きく育ったもので直径40~45cmになりました。もともとセイヨウタンポポに比べても大柄なのです。
冬にさしかかる頃から葉色が濃く葉脈も赤黒い短めの小さな葉に変わります。ノコギリ状の切込みも強くなり、もじゃもじゃした白い毛が生えることもあります。この状態で冬越しし、そのまま開花します。
【根の広がり・鉢の形状】
太く長い根が下方向に強く伸びます。よくイメージされる大きい1本ではなく複数本生えます。
植え替え時の様子が次の写真。前回の植え替えからそれほど経っていないため、鉢からはみ出すほど広がった葉のわりには側面方向に伸びていませんが、深さについては既に鉢底でぐるぐる回っています。
つまり鉢は幅より深さ重視。しかしどれだけ深い鉢を選んだとしても、根の伸長はとても早く、すぐに鉢底に達してしまうでしょう。19年4月にロング鉢の上半分に収まるよう植え替えましたが、2週間後には鉢穴から根が覗いていました。
もちろん、2年も経つと側面方向にも根が回り、次の写真のような立派な根鉢ができあがります。真横に根がそろい織物のようになっていますが、これはおそらく鉢の内壁の凹凸による作用でしょう。
繁殖(種・実生など)
【再生力】
1cm程度の根の切れ端からも再生します。根の上から葉が、下から新しい根が、というわけではなくて、切れ端を栄養源として同じ場所から葉と根が出ます。
ただし根そのものが機能している場合(草刈りされて地中に根が残ったような状態)は、葉だけが再生するようです。
なお、再生するにはなるべく「根」である部分が多い方がいいようです。
葉の伸びが急激に衰えたり止まってしまうときは根腐れを疑いますが、気づいたときには往々にして茎と根の太い部分が少し残っているだけ、くらいにまで進行しています。
茎にはそれほど再生力がないようなので、できるだけ早期に腐敗部分を除去し、残っているの根の部分に想いを託して植え替えましょう。
【種】
おなじみの綿帽子は、ふとした拍子に風で乗ってサヨナラしてしまいますね。綿帽子になる前の時点で、綿の部分を切っておくと幾分マシになります。
ただし効果は飛距離が落ちる程度で、強く息をかければ吹っ飛びます。どうしても飛ばしたくないのであれば網でもかけておくしかないでしょう。
【実生】
発芽率を実際に調べてみました。
観察期間:2018/05/23~2018/6/29
蒔き時期:採取して約1ヶ月後
置き場所:室内置き
用土:種蒔き用の土、覆土なし
水やり:数日おきに与えて乾かさないように
05/23 種蒔き100粒
06/04 発芽2
06/09 発芽1
06/13 発芽2
06/14 発芽2
06/16 発芽1
06/19 発芽10
06/21 発芽3
06/23 発芽4
06/26 発芽3
06/29 発芽1
(ひと段落のようなので観察終了。試験した土は未発芽の種ごと他の鉢に転用)
7月上旬 発芽14
(転用先の鉢で、さらに出てきてました…)
計43粒 発芽率43%
発芽数が多くなるのは種蒔きして約1か月前後のようです。一般的な草花の発芽率からするとかなり低く感じられますが、採取できる種の数は多いため苗の数に困るようことはないと思われます。
屋外に置く場合は風で種が飛んでいくので、うっすら覆土はあった方がよいでしょう。室内より乾きやすいので、いくらか水分保持にも役立ちます。
種蒔きする時期はなるべく早い方がいいでしょう。初夏がシロバナタンポポにとって心地よい季節らしく、葉物野菜かと思えるほど勢いよく成長します。
しかし夏の盛りを迎えると乾燥やハダニなどに耐え忍ぶのが精一杯で成長どころではなくなります。つまり蒔き時期が1ヶ月遅いと、それだけ成長の時間的余裕がなくなり、葉や根の育ち具合に段違いの差がついてしまいます。
なお実生1年目でも早くに蒔いて株が充実すれば花はつきます。次の写真は鉢が4つあり、両端が実家佐渡産、中央右上が17年実生、中央の最もわさわさしているのが18年実生。まあ、見事に黄色一色ですね。
世代が変わっても黄色ということは、遺伝するところに変異が起きてしまったのか、育てている環境なのか…。
チャレンジ(黄色から白い花に戻したい)
【白くなる仕組み】
農研機構という農業の研究機関のホームページを参考にすると、タンポポが分類されるキク科の花色についての研究がありました。
http://www.naro.affrc.go.jp/archive/flower/research/kiku_white.html
要約すると、カロテノイドという色素がたまって黄色くなる。白い花もカロテノイドを作ってはいるが、それを分解する酵素が働いているので白くなる、とのこと。
タンポポも同じであるとは限りませんが、とりあえず他に仕組みに関する情報がないので、これを基に考えていくことにします。
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/flower/2005/flower05-01.html
枝変わりなど花色変異は白→黄色のみ起こり、黄色→白は発生しない、という白色戻りを期待する私にとっては悲しいこんな記事もありましたが、めげずにあれこれやってみます。
【生息環境の考察・土壌酸性度】
植物の生育がおかしいときは、原産地の環境になるべく近い状況にしてあげるのが園芸の基本ですね。シロバナタンポポは「酸性度の強い土壌」に生育していると、何度か耳にしました。
19年4月、実家の協力でまだ生えている株の近辺の土壌pHを測定してもらいました。
生け垣の下:7.0
土管の中:6.7
庭木の根元:6.1
植込みの中:6.0
前者2つはコンクリートが近くという可能性を考えると、故郷の土壌を目指すなら、6.5~6.0くらいでしょう。
対して我が家の鉢土はほぼ7.0でした。適した酸性度ではないためその酵素の働きが弱くなったのかもしれません。
【19年の対策1:酸性の水】
雨水は弱酸性なのでシロバナタンポポに適しているとも聞きました。我が家で普段水やりに使う水道水のpHを調べてみると…(測定機器は熱帯魚などのアクアリウム用品で探すと見つかります)
蛇口直接:7.3
浄水器後:7.2
植物を植えていると次第に土は酸性化するそうですが、なんと我が家はそれを水道水で中性に戻している状況だったようです。
これについては「雨を貯めておく」という対策があります。
しかし天候にも左右されるでしょう。ならば、弱酸性の水を自分で作り出す!と意気込んでチャレンジしたのが「水道水に鹿沼土を入れて放置」という方法。
酸性土としてポピュラーな鹿沼土なら、肥料分もなく悪影響のない水になりそうです。早速20リットルタンクを買って鹿沼土を投入&かき混ぜて放置しました。
水道水20リットルに鹿沼土1リットル程度だと、3日:pH6.71 → 7日:6.64 → 14日:6.62 と下がりました。普段は露天で雨に当て、晴れが続く時だけ非常用として使うなら十分そうです。
…が、世の中そんなうまくいきません。何度か水やり&水道水補充を繰り返すと、何週間待ってもpH6.9~6.8から下がらなくなりました。
つまり酸性分を補充するために新しい鹿沼土の投入と、使い終えた古い鹿沼土の処分が必要です。そんなにいい解決方法ではありませんね。
【19年の対策2:酸性の土】
市販の草花培養土はおおむねpH7.0±0.5。従来はこれオンリーでした。ピートモスは全量に対し3割ほど混ぜるとpHが1.0程度下がるらしいので、pH6.0±0.5くらいになるでしょう。赤玉土と鹿沼土もいくらか使います。
鉢底石はpH10.0という表示があったので使うのをやめてスリット鉢で対応、パーライトの追加も廃止。4月に植え替えを行い、合計5鉢用意しました。
産地 | 培 | ピ | 鹿 | 赤 | 鹿 | 赤 | 19.8 | 19.12 | 20.2 | 20.4 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
佐渡産 | 7 | 2 | 1 | 2 | 5.4 | 6.4 | 6.3 | 6.2 | ||
佐渡産 | 7 | 2 | 1 | 1 | 1 | 4.8 | 6.2 | 6.2 | 6.2 | |
17年実生 | 6 | 2 | 2 | 2 | 5.2 | 6.3 | 6.0 | 6.4 | ||
17年実生 | 6 | 2 | 2 | 1 | 1 | 5.4 | 6.1 | 6.2 | 6.0 | |
18年実生 | 1 | 4 | 2 | 3 | 1 | 1 | 4.5 | 5.9 | 5.9 | 6.1 |
8月までは対策1の水を併用したため下がり過ぎましたが、見た感じ成長に影響はなさそうでした。その後、水をいつもの水道水に戻したためか、翌20年4月の開花期には目標範囲におさまりました。
調査ではこんな「土の酸度計」を使用しています。
さて、当の花色はどうなったかというと…5鉢全部黄色でした!! 生命の不思議はそう簡単なものではないんですね。
【生息環境の考察・肥料分】
19年の結果を受け、酸性度以外の要因で思いついたのは、「土壌が貧栄養」ということです。
採取元の実家の近隣では、畑の道や田んぼのあぜ、石と石の隙間など、それこそ雑草のごとき場所に生えています。(まあ、雑草ですが)
田畑の肥料はその通り道までには至りませんし、刈られた草はかき集めますので、その場で堆肥・腐葉土にはなりません。昆虫や微生物の排泄物や死骸などが残された供給源と思われます。
かつ他の草との競合状態にあるわけですから、タンポポがありつける量はさらに少ないはず。周囲が封鎖されている石の隙間であればなおさらです。
カロテノイド蓄積が決め手なら、結局はその生産量と分解量のバランスでしょう。酵素が弱まり分解量が減ったのではなく、豊かな栄養でカロテノイドが生産過剰、という可能性もあるとも思えます。
これまでベースとしてきた市販の草花用土は「養分たっぷり」が謳い文句のものがほとんどなので、故郷の土質と異なっているのでは? もしカロテノイドの生産量が一定であるとしても、何かしら別のトリガーになったのかも?
【20年の対策:無肥料・無農薬】
ということで次は貧栄養でチャレンジ。併せて、殺虫剤「オルトランDX粒剤」を施さない鉢も設けてみます。下表の配合比で土の入れ替えを行いました。(一番下の18年実生は前年から土の変更なし)
培養土は無し、肥料も一切無しです。殺虫剤も植え替え時の投入のみで、追加はしません。
産地 | 培 | ピ | 鹿 | 赤 | 薬 | 肥 | 21.1 | 21.4 | 花色 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
佐渡産 | × | 0 | 5 | 5 | × | × | 6.4 | 6.2 | 黄 |
佐渡産 | × | 2 | 4 | 4 | 〇 | × | 6.2 | 6.1 | × |
17年実生 | × | 0 | 5 | 5 | 〇 | × | 6.3 | 6.2 | × |
17年実生 | × | 2 | 4 | 4 | × | × | 6.5 | 6.2 | × |
18年実生 | 1 | 4 | 2 | 3 | 〇 | × | 5.7 | 6.2 | 黄 |
結果は表の一番右に記した通り、またも黄色! そして株の規模が小さくなり、花数が1株に1~2輪程度に激減、花がつかない株もありました。やりすぎましたかね?
ただ、ハダニの害が以前より少なくなったように感じられます。ボロボロになるまで食われていません。なるほど、肥料を無くしたことで、私は野菜ではなくて雑草を育てたのか…。
【生息環境の考察・植え替え】
斑入りのサンスベリアを葉挿しすると斑が消えるといいます。我が家のタンポポにも、そういった植え替えの何かが黄化のトリガーになったのでしょうか。
実家から改めて種を採取してもらい、実生してみることにします。もし生息地採取の種でも黄色なら、私の8年間の栽培が不適切だったということですし、白であれば8年前(2013年)の植え替え時に何かが起きたということになります。
【21年の対策:自生地の種から育てる】
ということで春、実家に頼んで家の近辺に咲いているシロバナタンポポから種を採取して送ってもらいました。さあ、種蒔きです!
どうも発芽には光が必要なのかもしれないです。
初めての実生の時と同じく、種蒔きしたのは5月中旬。しかしキッチリ覆土したら1ヶ月以上、ただの1本すら発芽しませんでした。7月に入り、一部の鉢の表層をほじり返したところ、ぽつぽつ発芽。予備の種を、同じく7月入ったところで飛散防止程度のほんのり覆土で蒔いたら1週間程度で発芽。
次の写真は1ヶ月後となる8月の様子。キッチリ覆土(左2個&中列上)、表層ほじり返し(中列下&右下)、ほんのり覆土(右上)。好光性種子なんですなぁ。
そして10月、わらわらと育ってきた苗から大きいものを選抜して植え替えました。発芽に手間取ったので翌年に花が咲くほどの規模になるか心配でしたが、なるべく日に当てるようにして育成します。
幸いなことに22年の3月初め、小ぶりながらもつぼみを発見しました。しかも黄化した株のつぼみと違って、頭が部分的に黒いです。これは期待…!
待ちに待った白い色のタンポポ! これがシロバナタンポポです! 9年ぶりですか…生で見たのは。
このホームページ「しろばなガーデン」の名前の由来にした花ですから、この子がいてこそ、ここはしろばなガーデンなのです。やったね!
総苞の様子にも記憶がむくむくと蘇りました。ぴっちりくっつきもせず、反り返りもせず、やや「く」の字に曲がった形状。「【花・セイヨウタンポポとの違い】」に自分で書いておいて、久しぶり過ぎて忘れていました。13年の移植株についていた形状と同じです。
元から我が家にいた黄化したシロバナタンポポと同じく、咲きかけの花も写真に収めました。繊細さと、これから開いていく花びらの未来が詰まったこの瞬間が、とても好き。
よくよく見ると、黄化シロバナタンポポとは葉の形状がいくらか違います。表現の難しい形ですが、ノコギリ歯は鋭くないですね。葉色も比較すると鮮やかな緑というより若干白みがかっているようです。
根については大差ない印象。発芽が遅れたので気がかりでしたが、花も咲いたことですし、それなりに立派な根です。安心安心。この中から育ちのよい2株を選抜して、それぞれ6号ロングのスリット鉢に植え替えました。
いやはや、あっけないものですね。私、種蒔いただけじゃないですか!
土は市販の種蒔きの土(鹿沼土・赤玉土小粒)に、草花用の土を元肥代わりに少しブレンド。表面は中~小粒の鹿沼土で覆う…あとは雨水と水道水。これといった工夫もありません。
あれこれやってた実験は何だったんだ? 結局どうして黄色くなったのか、わからずじまい。白に戻したのではなく、改めて白を栽培したまで…
そんな気持ちもないことはないですが、花たちに罪はございません。この清々しいホワイトのように、素直に喜ぼうと思います。黄色くなった株たちも咲きます、共に生きている証です。彼らもまた、良し。すべてが、このページを綴った花たちなのですから。
※最終的にシロバナは6号ロング鉢2つになったものの、23年の暑い夏の中で1鉢枯れてしまいました。これ、株分けしたらどうなるんでしょうね…? 種蒔きにより黄化の調査は幕を閉じていましたが、またチラッと探求心が芽を吹いたかもしれません。
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